古来より建築や彫刻・絵画などに取り上げられてきたことから、 「美しい比率」と言われている黄金比。
自然界やデザイン、建築などにも用いられており、 人が美しいと感じる見た目に仕上げることが出来ます。
今回は、黄金比を用いて作成した名刺をもとに紹介していきます。
黄金比とは、近似値1:1.618(約5:8)、の比率のことで、 人間にとって最も安定し、美しく感じられる比率と言われています。
(正確な黄金比は、「1:1.618033988…」というように、 小数点以下が限りなく続くため、「近似値」として値を出しています。)
縦と横の比率が1:1.618の比率で作られた長方形を「黄金長方形」といいます。
5:8の構成で正方形を敷き詰め、それぞれの対称する角から曲線でつないでいくと、 ちょうど螺旋を描くような形になります。
この比率をシンプルにレイアウトを決めるガイドラインとして使用し、 全体のバランスなどを整えながら進めていきます。
今回作成した名刺のサイズは一般的な55mm×91mmです。
縦位置と横位置、何パターンか作成していきました。
会社のロゴ・肩書・名前・住所や電話番号など、情報は少なめですが、縦位置で、黄金比を左右対称に取り入れ空きのバランスを取りました。
スッキリとした印象になり、スタイリッシュな名刺に仕上げました。
似顔絵・肩書・名前・電話番号や住所、さらにLINEのID・フリーダイヤルを合わせた情報の多い名刺のレイアウトについて。
実際に作成した名刺は1枚目の縦位置のレイアウトですが、製作途中には横位置でもレイアウトを組んでいました。
情報が多いため、窮屈な印象になりがちですが、イラストも活かし、見やすい名刺に仕上げました。
写真を大きく使った名刺では、シンプルに写真を正方形で使用し、インパクトもある名刺に仕上げました。
部分的に当てはめたり、黄金比を反転させて組み合わせたり、 当てはめ方も様々な方法があります。
一度デザインしたものに当てはめて、バランスを見てみるのもいいですね。
私たちの身の回りにはたくさんの黄金比が存在しています。
有名なものでは、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」や ミロのビーナス(古代ギリシャ)、ピラミッド(古代エジプト)、 葛飾北斎の「神奈川沖浪裏(富嶽三十六景)」などの構図にも使われているといわれています。
みなさんもよく目にするTwitterのロゴやgoogleのロゴなどにも黄金比は使われています。
調べてみるとこんなところにも!と新しい発見になり、勉強にもなりました。
Webサイトではメインビジュアルやメニュー、コンテンツ、 グラフィックデザインでは、名刺のレイアウトやロゴなど、 部分部分でも黄金比を取り入れることで、 バランスもよくスッキリと見やすい印象に変わります。
なんとなくデザインを進めるのではなく、 一度黄金比を使ってベースを作るところからはじめると 意外と役に立つのかもしれません。
ぜひ、参考にしてみてください。